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新16号の顛末
4月8日。永田奈津子さん出演の舞台を見てきました。

我々と同世代、あるいは、その前後か、ちょっとはっきりしないあたりの
高校時代が舞台となります。後になってわかるのですが、実はこの
はっきりしなさ加減も演出だったりします。多分。

で、登場人物は、高校生と、教師。
会話の中に、ところどころ辻褄の合わない部分、というか、同じ出来事に対して
あるヒトとあるヒトの見方、感じ方が少しずつずれている部分が現れてきます。
が、気にせず、生徒と先生を交えて軽音楽部の部室で他愛のない話をしていると、
教室の正面の壁が突然ナニモノかに突きくずされ、部室の外に怪物の存在を
認めざるを得なくなります。

怪物を倒そうと、正面突破を試みて玉砕していく者、脱出を企て転落死するもの、
部室のロッカーから取り出したマシンガンを手に、試しに仲間を餌食にして
様子を見るもの、そのために、他の仲間から射殺されるもの。。

何をしてもうまくいかない。これは、心の壁があるからに違いない、そして、
その壁を飛び越えるには、ジェイムス・ブラウンの曲に乗せてファンクすることが
必要だ。ということに気がつきます。

え?何故?と思わずここは我慢して続きを読んでください。

JBのゲロッパに乗せて、ファンクする彼ら。するとそこに、いままでみえなかった
生徒の姿が見えるようになります。

さぶりみのる。とあだ名された彼の姿。

ようやく見えるようになった彼の姿は、しかし、完全武装をし、部室の外に向けて、
マシンガンを撃ちまくります。
撃てども撃てども、怪物は倒れない。それどころか、かえって仲間たちが次々に
倒されていきます。
そして、はたと気づきます。
彼が撃つと同時に、仲間が倒れているのです。彼の放つ弾で倒れているのです。
彼が狙っているのは、我々だったのです。

さぶりみのる。思い出した。

JBの好きな軽音楽部員であったさぶりみのる。
サブリミナルと嘲られ、クラスのなかでも、そして軽音楽部でも、その存在を
無視されていったさぶりみのる(本名は他に設定されてたけど、忘れちった)。

彼は無視され続けた寂しさのあまり、自殺してしまった生徒でした。

それから15年が過ぎた軽音楽部の部室。当時担任だった教師と、軽音楽部に
所属していた主人公的生徒が久しぶりに再会し、昔話に華をさかせるなか、
「なんかもう一人いたよね」というような意味の生徒の言葉に、思い起こされた
この教師の心象風景。というのが、この舞台だったようです。

だから、時代背景が曖昧になっていたのね。とか、思い出と言うのは、
ひとそれぞれによって受け取り方、心への刻み込み方が違うのだな。それが
いろいろな食い違いを生んでいるんだな。とか、ひとつひとつの言葉が
マシンガンのように、心に突き刺さっていたんだね。とか、とにかく、この教師の
心象風景だったのか、という立場をもって、ひとつひとつのシーンを思い返しながら、
出来事を再構築するのに忙しく、残念ながらラストシーンはあんまり覚えていません。

なんとなく、今ではこの主人公的生徒が、ラジオのパーソナリティをしているんだなぁ。
というのは覚えていますけど。そして、その場で、なにやら意味ありげな言葉を
言っていたような気はするのですけど。

うーん。面白さが伝わったかどうか、ハナハダ疑問ですが、とても面白かったので、
いろいろ分かった上で、もう一度見てみたいと思った舞台でした。


and Peace!
by hajimechan74 | 2006-04-12 18:05 | 舞台映画鑑賞
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