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『静寂夜 プログラムB「恋するスクリーントーン」』(その4)
(つづき)

番組の途中ではございますが、臨時ニュースを申し上げます。テレビにはみたことのある顔写真。聞いたことのある名前。爆破テロ。建物倒壊。行方不明。

茜は出来上がった原稿を編集氏に読んでもらうことにした。先生、担当でもない、というか違う雑誌の原稿を何故僕に?あぁ、こういっちゃなんだけどさ、そんなに親しくない人の客観的な、率直な意見を聞きたかったんだよね。悪いわね無理言っちゃって。それに、あんまり売り上げ伸びてないんでしょ実際のところ。いや、まあ、なるほど。そうですか。そういうことなら言わせて頂きますと、なんというか、以前の先生の作品に似ているというか戻ったというか。私、先生の作品好きでしたから。これ。いいと思います。そう。ありがとう。いえ。どういたしまして。

おねえちゃん大変だよ。ニュース見た?ねぇ、あの人、島村さん、行方不明って。あぁ。そうみたいだね。おねえちゃん!それに、クリスマスイヴもどうするの。楽しみにしていたよ、エリナちゃん。島村さんあんなことになっちゃうしもうおねえちゃんってば!あぁそうか、そうだね。それよりみんなチョット聞いて。この原稿。やり直すことにしたから。えー!!それじゃ、クリスマス・ガンダム・プレミアムオフ会、行けないんですかー!あらワタクシも栃木へ帰る切符をすでに手配してしまいました。おねえちゃん、私もデートがあるんだけど。いいよいいよ。みんな。大丈夫だから行っといで。でも先生。いいから後は私がなんとかするから。さぁさぁさぁ。みんな行ってきな!ほら!

木原靖子は言う。ねぇ茜ちゃん。大丈夫?うぅん、やっぱり訊かない。あ。そうそうそう。明日のイヴね。もし行くんならワタシ、ついていってもいいかしらエリナちゃんのところ。いいのいいのワタシは夜のお店までどうせ昼間は暇だから。ね。それじゃ、もしナニがナニすることになったら連絡してね。じゃあね。

先生、私。とアシB弓子もからだの横で拳を握り締める。先生、私行ってきます、たーくんのところ。そしてきっちりケリをつけてきます!

ひとりになってタバコに火をつける。思い浮かぶのは。。

12月24日の夜。サンタクロースに扮した茜は、トナカイの首から上のキグルミをつけた(首からしたはニューハーフの)木原靖子を伴って、エリナの元を訪れた。エリナは大変喜んで、そしてエリナが喜んだことに茜も喜び、ホッとした。本当に行ってよかった。そこへアシB弓子が帰ってくる。部屋に入ったとたん、こらえきれずに泣き出す弓子に木原靖子が優しく胸を貸す。そりゃ確かに奥さんもいるところに勝手に押しかけて勝手にごはん作ったりしましたけど、私、たーくんのこと、本当に好きだったんですよ。でも。ウザイ!キモイ!キエロ!って。これでスッキリしました。

ガンダムオフ会の興奮冷めやらぬアシA美沙子も顔を上気させて帰ってきた。もうホントすごかったっすよ。まさかあの超レアもののおねえちゃん大変大変!テレビつけてテレビ!はやく!
-ということは、逃げる際に怪我をされたんですか。はい。なんか足場が悪くてなんか挫いちゃったみたいなんですよ。どじですよねぇー。おーい。あかねぇー。えりなー。元気かー!

まったく。あいつらしいよ。ほんとに何やってんだか。もう。ほんとに。。よかった。

よかったわね。茜ちゃん。良かったですね。先生。
おねえちゃん。島村さん帰ってきたら絶対言うんだよ。3人で暮らそうって。3人一緒にいようって。ゼッタイだよ!ゼッタイだからね!


(おわり)

この3年後の物語が、同じ部屋に同じ編集氏が訪れるところから始まるとのことです。
おおむねこんな感じだったと思うのですが。毎度のことながら実際とかけ離れていたら申し訳ないなぁと思いつつ。


and Peace!
by hajimechan74 | 2006-12-07 23:59 | 舞台映画鑑賞
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