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お台場映画王
8月27日。お台場映画王にて、『オータム・イン・ニューヨーク』を観てきました。

フジテレビの亀山プロデューサーがTV Taroで講評連載中のコラムをそのままお台場のステージに云々。。
ということで、高島アナ、中野アナの選ぶ映画を観て、大多プロデューサーも交えてみんなでワイワイやりましょうという、高島アナの回が、『オータム・イン・ニューヨーク』1200円也。

まずは映画のあらすじはというと。。
舞台は秋のニューヨーク。高級レストランを経営する48歳独身男、ウィル(リチャード・ギア)はしかし、いい男であり、とくればやはり女ったらし。
ある日、公園のボートに乗っていた忘れがたい美女が、レストランに客としてやってきていた。その名はシャーロット(ウィノナ・ライダー)。22歳の誕生日を祝うその席には、知り合いの老婆の姿も。シャーロットは実は、ウィルの昔々の女友達の娘だという。
その場で恋に落ちた二人。始めは遊びのつもりだったウィルも、シャーロットは心臓の病に余命1年と知り、本気になっている自分に戸惑うのであった。





しかし、ウィルは、ウィルの友達主宰のハロウィーンパーティーであろうことか、そこに来ていた知り合いの女性と浮気をしてしまう。うまく誤魔化したつもりのウィルも、私、心臓の鼓動の微妙な差がわかってしまうの。というシャーロットの言葉に、白状してしまう。

どうしてそんなことしたの!と詰め寄るシャーロットに、怖かったんだ。と答えるウィル。
信じられないシャーロットは、私の貴重な時間を返して!と一方的に別れを告げ部屋を出て行く。

なんだかんだでいろいろあって、定石通りモトサヤに戻るわけなのだが、とうとうシャーロットの病状がノッピキならないところまできてしまう。手術拒否の書類にサインしているシャーロットに黙って執刀してくれる医師を探すが見つからずあせるウィル。
そんな折、何年も会っていなかったウィル自身の娘から手紙が来る。シャーロットの祖母の話によると、このウィルの娘というのは、若くして死んだシャーロットの母が、そのもっと若い頃にウィルに熱を上げていたときに、ウィルが違う女性を妊娠させてしまった時の子供、とのことである。

そのウィルの娘は幸せな結婚をし、今度子供を生む、とのことで連絡してきたのだった。許して欲しい。とお父さんが言いたいんじゃないかと思って連絡してみたの。だが、なんの言葉も思いつかないウィルに、娘は愛想をつかして去って行く。

シャーロットの医師がどうしても見つからず、ウィルが呆然と訪ねた先は、家族のもと、娘のところだった。事情を聞いた娘は博物館に勤務している職業柄リサーチは任せて。と請け合い、見事に医師を、曰く、世界一の医師を見つけ出してくる。

出来ることがあるのに何故やらないんだ!と喧嘩もしたが、手術を受けるようシャーロットを説き伏せることも出来た。

クリスマスの日、飾りつけをするウィル。まだ見ちゃダメなの?とシャーロット。まだだ、まだだ。よし、さぁーいいぞ。だがシャーロットは楽しみにしていたもみの木を見ることなく意識を失ってしまう。
病院に搬送されるシャーロット。医師もオハイオからヘリで駆けつけ緊急手術に。
シャーロットの祖母、ウィルの娘、ウィルの親友夫妻も駆けつける中、手術が続く。
ランプが消え、手術室を出てきた医師は、とりはずしたマスクを床に投げつけるのだった。

二人ですごした部屋にもどり、落ちていたシャーロットからのクリスマスプレゼントを開けるウィル。そこには、出合った頃に、ねだるシャーロットにあげたウィルの腕時計が入っていた。忘れた頃に返してあげる。と微笑んでいたシャーロットを思い出し、ひとり泣き叫ぶウィル。

ボートの舳先にそよ風を受けるウィルの娘。その反対側に赤ん坊を抱いたしあわせそうなウィル。

(おわり。)


とようやく映画が終わって、亀山P、中野アナ、高島アナ、大多GP(向って左から。いや写真はないっすよ)の4人によるトークコーナー。
リチャード(ウィル)ったらもう、全然ダメダメでしょ。と言い放つ高島アナ。その心は、やっぱり、なんであそこで浮気するかねぇ。。ということ。
ホントにもうサイテー!!ってことだったので、ちょっと考えてみました。
ちなみに今回の映画の選択テーマは、「この作品のHEROなら恋愛できる」です。

ウィルは、何故浮気したのか。と訊かれ、怖かった。と答えているのです。それを信じると、今まで考えていなかった「死」というものが、彼女を通して疑似体験をすることにより、急に身近なものになってしまったのです。
あるいは、自分が見捨ててしまったら彼女は生きることをやめてしまうのか、この先一番大事なものを失う悲しみに自分は耐えられるのか、などなど様々なことを考えるようになったのです。
そこから一瞬でも抜け出したくなった時、ありていにいえば逃げ出したく誤魔化したくなった時、彼が選んだのは、ギャンブルでも酒でも、もちろん仕事でもなく、女だったのです。
死の対極にある命の営み(夜の営みじゃないっすよ。ん?いやいいのか)、つまり今まで彼が生きてきた人生では、それを選ぶのが一番彼らしいことだったのです。
だからそこには彼なりの理由があったように思うのです。思うのですが、あの場面でセッ○スを選ばずにはいられない。という人生は。。やっぱりダメダメになってしまいました。

ということでもうひとつ。
どうしてもウィルに感情移入できない。どうせ最後のボートのあと、また女遊びするんだろ。と考えずにはいられない。と言う意見もありました。
亀山P曰く、この手の映画は男が主人公じゃなかなかウマクいかないもんなのよ。と。更に、ハリウッドでは男優のギャラの方が全然高いから、男が主人公にならざるを得ないのよ。との裏事情も聞けました。
では、どうすればよかったのでしょうか。

これもない頭をひねって考えてみましたが、やっぱり最後のあたりなんじゃないでしょうか。最後の、世界一の医師がマスクを捨てる。これだけじゃ、シャーロットが生きてるのか死んじゃったのかよく分からないっすよ。
そのよくわからないまま、エンディングで、あー、死んだんだね、どうやら。いや、ハリウッドのことだからまだわからんよ。うーん。でも出てこないまま映画終わっちゃったからやっぱ死んだんだね。てな煮え切らない感触になってしまうのです。それがウィルに感情移入できない原因なのではないか。と思うのは。
手術の場面は、医師が死を告げて、ウィルが男泣きに泣く。いままで周囲を気にしてカッコばかりつけていた男が、周りを一切気にせず、カッコ悪く泣きに泣く。失ったものの尊さに気付き、初めて自分の心に素直に感情を爆発させる。そのカッコ悪いカッコ良さに初めて共感できる。ってことなんじゃないかと思うのですが如何でしょうか。
もひとつクサイ演出をするなら、シャーロットの腕時計を、よく見るとウィルの娘の息子がしている。ってのはどうかしらね。そうすれば、限りある時間の暗喩だった時計が、新しい命の誕生に再び動き出す。なんてことにもなったりならなかったりするんじゃないかと思ったんですが、どうでしょうか。

しかし、中野アナの天然さ加減には脱毛脱帽です。

ってことで。おしまい。

お台場映画王_f0016204_1742216.jpg←オダイヴァ(お台場)。
お台場映画王_f0016204_17425268.jpg←ゴダイヴァ(GODIVA)。
ダーク・チョコレート・デカダンス。
ミルク・チョコレート・ラテも魅力的でしたが、やはり”デカダンス”な雰囲気に負けました。



and Peace!
by hajimechan74 | 2007-08-29 19:17 | 舞台映画鑑賞
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