5月6日。MotoGP第4戦中国GP。上海国際サーキット。
「上」の字をかたどった上海国際サーキット。今シーズンで一番長いストレートを擁するレイアウトを目にする限り、DUCATIの独壇場か、と思われた第4戦。しかし、330km/hオーバーを連発するDUCATI勢を尻目に、予選TOPを奪ったのはYAMAHAのエース、46ヴァレンティーノ・ロッシであった。 2番手には前回転倒のSUZUKI21ジョン・ホプキンス、3番手にYAMAHA5コリン・エドワーズ、セカンドロー4番手にDUCATI勢最上位、27ケイシー・ストーナー、そしてHONDAの26ダニ・ペドロサ、同じくHONDAの33マルコ・メランドリと続く。 今シーズン3度目のポールポジションの46ヴァレンティーノ・ロッシか、あるいは、今年3戦中2勝の27ケイシー・ストーナーか、注目の決勝は、気温23℃、湿度21%、路面温度32℃の中、22周であらそわれる。 フロントロー3台、キレイなスタート、まっさきに1コーナーに飛び込んだのはRIZLAブルーに身を包んだSUZUKIの21ジョン・ホプキンス。続いてFIAT-YAMAHAチームメイト同士の2台、46ヴァレンティーノ・ロッシ、5コリン・エドワーズ。 その1コーナー、右へ360°近くぐるーっと回り込んだあとの切り替えしで、前回2位の24トニ・エリアスが早くも転倒リタイアとなる。転倒車両に前をふさがれた形の4アレックス・バロスはダートに追いやられるが、転倒することなくなんとか再スタートを切る。24トニ・エリアスに追突されコースアウトした1ニッキー・ヘイデンも、転倒は免れるも同じく大きく遅れることとなる。 1202mもある長いバックストレート。その手前のテクニカルな部分でなんとかしておきたい46ヴァレンティーノ・ロッシは、21ジョン・ホプキンスをかわしてTOPに出る。そのまま必死に背中を丸めバックストレートを駆け抜けるが、ストレートエンドのハードブレーキング時には、すでに27ケイシー・ストーナーが、4位から一気にその背後に姿を現す。ヘアピンを折り返し、続く最終コーナーを抜けホームストレートを立ち上がると、マシンパワーにものを言わせた27ケイシー・ストーナーが、46ヴァレンティーノ・ロッシの横に並ぶ間もなく、難なくTOPの座を奪い取って、1コーナーへとマシンを滑り込ませていく。 2周目。バックストレートエンド、トルコに続いてこのサーキットを得意とする33マルコ・メランドリが46ヴァレンティーノ・ロッシの前に出て、2番手に上がる。テクニカルセクションで稼いで何とか27ケイシー・ストーナーに追いすがりたい46ヴァレンティーノ・ロッシであるが、その間に33マルコ・メランドリを挟んでしまったため追撃もままならない。 2周目のファーステストラップを0秒5縮めた3周目、2’00.453を記録しながらTOPを走る27ケイシー・ストーナー。後続の順位は以下。 1.27ケイシー・ストーナー 2.33マルコ・メランドリ 3.46ヴァレンティーノ・ロッシ 4.21ジョン・ホプキンス 5.26ダニ・ペドロサ 6.14ランディ・ドプニエ 7.5コリン・エドワーズ 8.65ロリス・カピロッシ 9.71クリス・ヴァーミューレン 56中野真矢は10位、6玉田誠は11位。 4周目バックストレートエンド、46ヴァレンティーノ・ロッシが33マルコ・メランドリの前に出るが、ヘアピンの立ち上がりでラインがクロスして33マルコ・メランドリがポジションをキープする。 と、同じバックストレートエンドで転倒する2台。56中野真矢のインに強引に割り込んだ6玉田誠が止まりきれずに56中野真矢を道連れに転倒。56中野真矢は手首を押さえながら、すぐさまコースの外へ。6玉田誠はマシンにまたがり再始動を試みるが叶わず、残念ながらともにリタイヤとなる。 5周目。46ヴァレンティーノ・ロッシがファーステスト2’00.011を記録し、33マルコ・メランドリを抜いて2位にあがる。5位26ダニ・ペドロサと6位14ランディ・ドプニエの間が1秒強と開き、どうやら上位5台にてTOPグループを形成しつつある。 そして、その中でも上位2台が水をあけつつあり、離されまいと、4位21ジョン・ホプキンスが33マルコ・メランドリを抜き3位から追い上げにかかる。 8周目。残り15周。27ケイシー・ストーナーと46ヴァレンティーノ・ロッシは、テール・トゥ・ノーズで周回こなしていく。ストレートで27ケイシー・ストーナーが離した分をコーナーで46ヴァレンティーノ・ロッシが追い上げるといった繰り返しである。 そして、むかえたバックストレートに向う手前の切り替えし、1周目に46ヴァレンティーノ・ロッシが21ジョン・ホプキンスを抜いたのと同じコーナーで、27ケイシー・ストーナーの前に立ち、46ヴァレンティーノ・ロッシがTOPを走る。 しかしそれも束の間、ストレートであっさりと前に出る27ケイシー・ストーナー。46ヴァレンティーノ・ロッシも負けじとブレーキングで再び前に出るが、オーバースピードで大きくはらみ、27ケイシー・ストーナーの先行を許す。 9周目。残り14周。少し開いたかに見えた差をすかさず詰める46ヴァレンティーノ・ロッシ。そうこうしている間に、21ジョン・ホプキンスがひたひたと詰め寄りその差も1秒を切ってくる。また、その後方、バックストレートエンドで33マルコ・メランドリをかわし、26ダニ・ペドロサが4番手へと浮上。先を行くDUCATI、YAMAHA、SUZUKIの3台を追い上げたい、昨年ポールトゥウインを飾ったHONDAのエースである。 10周目。残り13周。バックストレート手前のコーナー、非常にうまく立ち上がり、27ケイシー・ストーナーのすぐ後ろぴったりについた46ヴァレンティーノ・ロッシであったが、スリップストリームの効果もなく、27ケイシー・ストーナーがするするすると、間をあけていく。前周のように前に出ても、この周のように後ろからいっても、どうにも抜き切れない状況を前に、どうする、46ヴァレンティーノ・ロッシ。 11周目。残り12周。再び、バックストレート手前のコーナーで前にでる46ヴァレンティーノ・ロッシ。しかし、再び同様にストレートで27ケイシー・ストーナーが前に出る。 12周目。残り11周。みたび前に出る46ヴァレンティーノ・ロッシ。そしてみたび前に出る27ケイシー・ストーナー。 では12周終り、残り10周の順位を整理してみよう。 1.27ケイシー・ストーナー 2.46ヴァレンティーノ・ロッシ 3.21ジョン・ホプキンス 4.26ダニ・ペドロサ 5.33マルコ・メランドリ 6.14ランディ・ドプニエ 7.65ロリス・カピロッシ 8.71クリス・ヴァーミューレン 9.5コリン・エドワーズ 3位を行く21ジョン・ホプキンスと4位26ダニ・ペドロサの差が3秒以上に開く。遂に21ジョン・ホプキンスが初表彰台を手にする日がくるのだろうか。その21ジョン・ホプキンスは前を行く2台に追いつき、3台によるTOPグループを形成する勢いである。結末やいかに。 15周目。残り8周。27ケイシー・ストーナーがファーステストラップ1’59.857を記録し、逃げにかかるが、46ヴァレンティーノ・ロッシを引き離すことはできない。21ジョン・ホプキンスも負けじと追いすがる。と、16周目のバックストレートエンド。46ヴァレンティーノ・ロッシが突っ込みすぎ、転倒はしないまでもコースの外へと飛び出してしまう。その隙を逃すはずもない21ジョン・ホプキンスが2番手へと浮上する。27ケイシー・ストーナーとの根競べ、先に音を上げたのは、46ヴァレンティーノ・ロッシであった。 16周終り。残り6周。 1.27ケイシー・ストーナー (+1.274) 2.21ジョン・ホプキンス (+1.415) 3.46ヴァレンティーノ・ロッシ (+5.512) 4.26ダニ・ペドロサ (+1.857) 5.33マルコ・メランドリ 1分59秒台を連発し逃げを図る27ケイシー・ストーナー。対して、すぐに21ジョン・ホプキンスの後ろにピタリとつけ、18周目のバックストレートエンドで2位にあがる46ヴァレンティーノ・ロッシ。残り周回は4周。その差は+2.795秒。さすがに少し遠いか。 19周終り。残り3周。+2.329差(-0.466)。 20周終り。残り2周。+2.188差(-0.141)。 21周終り。残り1周をむかえても2秒以上の差は詰めることは出来ず、最終的には3秒以上の差をつけ、27ケイシー・ストーナーが今季4戦中3勝目をあげた。2位は46ヴァレンティーノ・ロッシ、3位には嬉しいようやくの初表彰台、21ジョン・ホプキンスが輝いた。 第5戦からは再びヨーロッパラウンドが始まる。このレースから投入されたミシュランに好感触を得た46ヴァレンティーノ・ロッシが、好調27ケイシー・ストーナーにどう立ち向かっていくのか。27ケイシー・ストーナーの、DUCATIの優位性がぬぐえないだけに、46ヴァレンティーノ・ロッシの奮起とともに、HONDAの巻き返しにも期待したい次戦である。 決勝結果 1.27ケイシー・ストーナー(オーストラリア)ドゥカティ-ブリヂストン 2.46ヴァレンティーノ・ロッシ(イタリア)ヤマハ-ミシュラン 3.21ジョン・ホプキンス(アメリカ)スズキ-ブリヂストン ポイントランキング 1.→86pts 27ケイシー・ストーナー(オーストラリア) 2.→71pts 46ヴァレンティーノ・ロッシ(イタリア) 3.→49pts 26ダニ・ペドロサ(スペイン) 4.↑41pts 33マルコ・メランドリ(イタリア) 5.↑39pts 21ジョン・ホプキンス(アメリカ) 6.↓35pts 24トニ・エリアス(スペイン) 7.↓31pts 5コリン・エドワーズ(アメリカ) 8.↑30pts 65ロリス・カピロッシ(イタリア) 9.↓30pts 1ニッキー・ヘイデン(アメリカ) 10.→30pts 71クリス・ヴァーミューレン(オーストラリア) 15.↓15pts 56中野真矢 19.↓ 4pts 6玉田誠 and Peace!
by hajimechan74
| 2007-08-19 17:30
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